
テューリンゲン州アイゼナッハに、威風堂々とそびえたつヴァルトブルク城。
ヴァルトブルク城は、千年におよぶ歴史とともに、ドイツでも高い知名度と人気を誇り、1999年以降ユネスコ世界遺産に指定されています。
城にひと足踏み入れば、900年の歳月を綴る古い歴史書が開かれます。1067年に設立されたと伝えられる城は、現存する12世紀の主要建築物に見られる後期ロマネスク建築芸術から、その華やかなりし時代がしのばれます。
テューリンゲン方伯の拠点として、ヴァルトブルク城は、芸術の粋が集まるミューズの館としてその名を轟かせました。ここでヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデの歌が響き、ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハの詩が生まれたのです。この伝説の歌合戦の光景は、リヒャルト・ヴァーグナーのオペラ「タンホイザー」によって、世界的に知られています。今なお崇拝されている聖エリーザベトが暮らし、マルティン・ルターが匿われて新約聖書を翻訳したのも、このヴァルトブルク城です。
ドイツの歴史文化を語る表舞台には必ずヴァルトブルク城が登場します。この城は堅固な要塞として、あるいはきらびやかな居城として栄え、過去何百年にも渡って旅人に一夜の休息の場を与えてきました。過去の遺物になることなく、つねに今を生きてきたのです。
19世紀に入って改装が行われ装飾が取りつけられました。中世の建築部材は修復され、欠損した建物部分は新たに補完されました。城の祝宴の大広間には、19世紀の芸術概念がよく現れています。夏の期間に開催される有名なヴァルトブルクコンサートをはじめ数多くのイベントがこの個性的な広間で行われます
800年間の宝物コレクションは、約200年前にゲーテがすすめたことで再び公開されるようになりました。
ヴァルトブルク城をガイドツアーでめぐれば、ルーカス・クラナッハによる有名な絵画、貴重なタペストリー、ティルマン・リーメンシュナイダーの彫刻、ルネサンス様式の工芸品、素晴らしい調度品など、歴史と文化と芸術を余すことなくご覧いただけることでしょう。また、サマーナイト(夏の催し)や演劇、歴史的クリスマスマーケットといった数多くのイベントには、世界中からたくさんの人々が訪れ、歴史ある建物に活気がよみがえります。
ヴァルトブルク城は、かつて巡礼者がやってきたときのように、今も訪れる人を暖かく迎えています。今日では「ホテル・アウフ・デア・ヴァルトブルク」が建ち、旅路を急ぐならブルクシェンケ(ホテルのレストラン)やホテルのテラスでささやかな休憩を、時間がゆるすようなら、レストランや個性あふれる部屋のひとつでゆっくりおくつろぎください。