“最もドイツらしい城”ともいわれ、近年ユネスコの世界文化遺産に指定されたヴァルトブルク城。数百年にもおよぶスリリングな歴史と説話のつめ跡を求め、ここには毎年100万人もの観光客が訪れます。
アイゼナッハは多くの著名人とかかわりがあります。伝説に包まれる聖エリザベートは、テューリンゲン方伯夫人としてこの城に暮らし、死後に聖人に列せられました。またマルティン・ルターはこの城で新約聖書をドイツ語に訳し、これにより標準ドイツ語の基礎が築かれたといわれています。この地に残るルターの家は、アイゼナッハに現存する最古の木組み家屋で、彼がラテン語学校に通っていた当時、3年間暮らしていたところです。1817年10月にヴァルトブルク城で行われた学生組合による「ヴァルトブルクの祝典」も、歴史的に非常に大きな意味を持つことで知られています。
まずは、博物館をお訪ねください。ルターの家ではマルチメディアによる展示で、宗教改革の火付け役となった彼の生涯とその成長の歩みを詳細にご紹介します。もうひとつの貴重な博物館であるバッハの家は、アイゼナッハで生まれた作曲家ヨハン・セバスチャン・バッハに捧げられたものです。この豪華な造りのこの民家の中では、テューリンゲン・バッハ一族の生活と作品に関する展示とともに、古楽器コレクションをご覧いただけます。
アイゼナッハは文学的にも有名な街です。ゲーテはアイゼナッハに幾度となく滞在し、低地ドイツ出身の詩人フリッツ・ロイターはアイゼナッハでその晩年を過ごしました。ロイター・ヴィラにある博物館では詩人ロイターのみならずリヒャルト・ヴァーグナーに関する収集品も数多く展示公開され、その規模はバイロイトに次いで国内で2番目となっています。
博物館でアイゼナッハについて知っていただけましたら、ぜひハイキングにもお出かけください。アイゼナッハにはアウトドア派に人気のレンシュタイクをはじめ、多くのハイキングコースがあります。また近郊には美しいスポットが多く、サイクリングや水上ハイキングもお楽しみいただけます。

テューリンゲン州アイゼナッハに、威風堂々とそびえたつヴァルトブルク城。
ヴァルトブルク城は、千年におよぶ歴史とともに、ドイツでも高い知名度と人気を誇り、1999年以降ユネスコ世界遺産に指定されています。
城にひと足踏み入れば、900年の歳月を綴る古い歴史書が開かれます。1067年に設立されたと伝えられる城は、現存する12世紀の主要建築物に見られる後期ロマネスク建築芸術からその華やかなりし時代がしのばれます。
ヴァルトブルク城はテューリンゲン方伯の拠点であり、芸術の粋が集まるミューズの館としてその名を轟かせました。ここでヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデの歌が響き、ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハの詩が生まれたのです。この伝説の歌合戦の光景は、リヒャルト・ヴァーグナーのオペラ「タンホイザー」によって、世界的に知られています。今なお崇拝されている聖エリーザベトが暮らし、マルティン・ルターが匿われて新約聖書を翻訳したのも、このヴァルトブルク城です。
ドイツの歴史文化を語る表舞台には必ずヴァルトブルク城が登場します。この城は堅固な要塞として、あるいはきらびやかな居城として栄え、過去何百年にも渡って旅人に一夜の休息の場を与えてきました。過去の遺物になることなく、つねに今を生きてきたのです。
19世紀に入って改装が行われ装飾が取りつけられました。中世の建築部材は修復され、欠損した建物部分は新たに補完されました。城の祝宴の大広間には、19世紀の芸術概念がよく現れています。夏の期間に開催される有名なヴァルトブルクコンサートをはじめ数多くのイベントがこの個性的な広間で行われます
800年間の宝物コレクションは、約200年前にゲーテがすすめたことで再び公開されるようになりました。
ヴァルトブルク城をガイドツアーでめぐれば、ルーカス・クラナッハによる有名な絵画、貴重なタペストリー、ティルマン・リーメンシュナイダーの彫刻、ルネサンス様式の工芸品、素晴らしい調度品など、歴史と文化と芸術を余すことなくご覧いただけることでしょう。また、サマーナイト(夏の催し)や演劇、歴史的クリスマスマーケットといった数多くのイベントには、世界中からたくさんの人々が訪れ、歴史ある建物に活気がよみがえります。
ヴァルトブルク城は、かつて巡礼者がやってきたときのように、今も訪れる人を暖かく迎えています。今日では「ホテル・アウフ・デア・ヴァルトブルク」が建ち、旅路を急ぐならブルクシェンケ(ホテルのレストラン)やホテルのテラスでささやかな休憩を、時間がゆるすようなら、レストランや個性あふれる35部屋のひとつでゆっくりおくつろぎいただけます。